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JUNmamaの気ままーな日記

junmama.exblog.jp
by junmama96
一日の中でなにかを見つけてなにかを感じるってすごく大事なことだよね。
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おねえちゃんと妹、そしてママ。
2006年 06月 05日 |
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テーブルの上のひまわりを眺めながら、aiが言った。

「ねぇママ・・・aiもいつかはおねえちゃんみたいになれる?」

先日の家庭訪問で、担任の先生とのaiの話題はアスペルガーについてがほとんどだった。
人の気持ちがわからない。
わからないからうまくコミュニケーションがとれない。
aiの場合は「うまくとりたい」だろう。
けれど、それが相手にとって、うれしくないことであったり、
とてつもなくがっかりさせたり、裏目に出ることが多い。

そのaiが発した言葉は「いつかおねえちゃんみたいになりたい。」だった。
いつも、自分の好意でしたことが受け入れてもらえないaiの精一杯の言葉だったろう。

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Haは、学校でも生活も華やかだ。
冬の終わりに、フィギュアスケートの県大会で優勝した。
今、フィギュアスケートはご存じ、大ブームとなっていて、リンクは足の踏み場がないほどだ。
Haが始めた3歳の頃は、グループレッスンでさえ、マンツーマンだったというのに。
しかし、今では、目をキラキラさせて、将来を夢見る小さい子を連れたお母さんをよく見かける。
I think Japanese vogue is very easy.
皆、分かってない。
華やかさの裏でどれだけ嫌な世界か。いや、頑張っている選手のことではない。
世間を騒がした上層部の金の流用だけではない。
母親同士の派閥、探り合い、インストラクターとのコネの取り方、
お金がかかればかかるほど、その心は嫌なものになっていく。
おねえちゃんと妹、そしてママ。_b0003287_21205734.jpg

仲間うちのライバル意識も並大抵のものではない。
関東大会、Haは、ガチガチになり、ノーミスで滑り終えたものの8位に終わった。
結果が悔しくてHaは私にしがみついてワーワー泣いた。
こんな小さな体で、ここまでの重圧の世界に置かせている私の心も辛かった。
自分にだけではなく、観客、そして、ライバルのお母さんたちからのプレッシャーもずっしり重いはずだ。
月謝の金額はとても人には言えない。全て込みで月平均すると10マンは軽く超e・・・(笑)
「お金持ちなのね〜・・・」と何度皮肉られたかわからない。
「とんでもないです。すぐにでもやめさせたいくらいですよ。」と本人の前でも
何度も何度も言った。

aiがアスペルガーだとわかってからも学校でもスケートでもHaに大きな重圧がのしかかっていた。
私も気付いていた。
Haの笑顔がこわばってきていたことに。
リンクでも立場が逆転して、心からスケートが楽しめない状況に陥っていることも。
ところが、お金がこれだけかかっているとなると中途半端な励ましができない情けなさ・・・。
やめるか、死ぬほど頑張って(お金も体力も気力も)続けるか。

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aiは、心が純粋で弱い。
何とかして人に好かれたいと思っている。
でも、おねえちゃんのように、明るく華やかに、みんなから好かれることができない。
少しでも衣装代を浮かそうと、手作りのコスチュームをHaの為に夜なべしてスパン付けをしているママを見て、どう思っていただろう。
児童心理専門の先生に、こういう障害の子には「こういう態度で」「こういう言い方で」とレクチャーを受けた。
しかし、その実践は半端じゃなく私に合ってない(笑)
こっちがノイローゼになりそうだった。
そのやり方は3日でやめた。(爆)

受け入れて、包んであげられたらそれでいいんだ。
職場に、外国から来て日本で生活している男性の友人がいる。
彼は、私がへこんでいる時にすぐさま直接電話をくれた。
「そういうつらい話しを僕に相談しようと思ってくれたこと、"ありがとう"と言いたい。」
「医者や物理は数字や数値でものを言うよね。数値だけでなにもかも計れない気持ちの部分を人間は持っていると思う。」
「最後は"愛情"と"信頼関係"、これが全てじゃないかな。人間にはそういう力があると思う。」
自然と彼の心のこもった言葉に涙があふれた。
そして、自分の目指す方向が定まったような気がした。

今では、人の気持ちがわからないで傷つけるようなことをしたら怒鳴る。
時には否定的な発言もする。叩くこともある。
けれど、できるだけわかりやすく、わかるまで説明してあげる。
人は、「傷付いたら心が痛むこと」「人は温かくされたら心が優しくなること」
aiには、aiに足りないところはどこか全て隠さずに話してある。
だから心の合格点をもらえるようにママと頑張ろう、と抱きしめる。
aiがaiなりに私を信頼してくれるまで、叱った分抱きしめる。

しかし、
Haには、半端な慰めは言わない。
苦しみに顔が歪んでいても、スケートの刃が刺さって腫れ上がった脚で帰って来た時も、「Haが自分で決めた夢はなんだ?」と問う。
「世界チャンピオンになりたい!スケートが好きだから!」
涙でグチャグチャの顔をしてHaは言う。
「だったら、泣くなっ!」
小さな低学年の小学生に言うべきじゃない大人の世界の話しもする。
絶対人の悪口を言わないこと、お金のこと。派閥があること。

黙々と孤独に練習するHaを見て、ひどくひどく心が痛むこともある。
ただ母としての気持ちと、全日本の土俵で闘ったことのあるアスリートとしての自分の経験との狭間で苦しくなる瞬間だ。お金が絡んでいるから私の感情はもっと厄介なのかもしれない。
しかし、これだけは信じている。
たどり着くかどうかもわからない遠い道のりを日々孤独に闘った経験は、後になって何事にも代えられないチカラとなる。
Haの強さになる。
普通の小学生が経験しない事をHaは経験している。
それをアドバンテージと考えようと思う。

学校でHaがaiの事をいつも気にかけていることも担任の先生から聞いた。

おねえちゃんはおねえちゃんのつらさがある。
妹には妹のつらさがある。
ママは多分、その多くをわかってる。

でも、ママはこうやってやっていく。
これが2人へのママのやり方だよ。Ha、ai。

わかってほしい。
いつでも家で笑顔でいられるように、ママも頑張っていること。
迷って迷って見つけた道を進む。家族と一緒に。たとえ離れている時間でも。
心はいつだって一緒だよ。

追伸:これから子供をフィギュアの世界で(夢)、と考えているあなたへ
やめなさい。(笑)←いや、マジ
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