浄化
2005年 12月 05日
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気がつけば、もう冬。
早朝、
雨上がりの冷たい空気の中で、
雨粒がキラキラと光る紅い葉っぱが風に吹かれ散る。
まるで花吹雪のよう・・・
舞い散る葉をカメラにおさめたくて、レンズを覗く。
「ダメだ。」
うまく写せない。
全てはこの「目」で見て、「心」で感じたものほど
美しいものはない。
夏が終わりに近づく頃、職場の敷地内の引越しがあった。
夜中まで続いた梱包作業、イライラして、同僚同士ぶつかったり、
不満をぶつけ合ったりもしたけれど、新しい建物に移り、心機一転。
青い空がまぶしく輝き、ボスの居室の窓から見える一面の芝生の緑が爽やかだった。
そして、
落ち葉が紅色から土の色に変わるまでの間に、
どんな事があっただろう。
人と人との気持ちのずれ、諍う心、
自分のやっていることが仕事なのか、仕事ではないのか。
温かい家庭にまで、私の仕事の苛々は及んだ。
時には、言いたくても言えず、気持ちは治まらず、
唇や、手足がブルブル震えたこともあったっけ。
「会社に”うつ病”になってしまって苦しんでいる人がいました。
あなたは、手を差し伸べますか?それとも放っておきますか?」
結論を言うと、色々あった中で一番大きな出来事はこれだった。
私には、その人を放ってはおけなかった。
精神的な病は、なった人でなければわからない苦しみがある。
あちこちの病院に初診を断られ、食事さえ摂れなくなり、それでも立ち上がろうと、
立ち上がれずにもがいて必死になっているその人を放っておくことができなかった。
「あなたが中途半端に手を差し伸べるから、よけい彼が甘えるんでしょ!」
「もういい年した大人なんだから、辞めるか辞めないか自分で決めればいい。」
「あなた(私)がやっていることは仕事の範囲を超えているわよ!」
「自殺するようなことがあったとしても、それはもう本人の責任だ。」
それはもう辛い毎日だった。
でも、私は彼を放ってはおけなかった。
私が手を差し伸べることで、彼が小さなきっかけを掴めるとしたら、
それは人生を変えるきっかけにもなる、というくらい大きなことだと信じていたからだ。
仕事の範囲を超えていることは百も承知だった。
仕事ではなく、「人」として、彼を救いたかっただけだった。
あれから3ヶ月経ち、彼が研究の場に戻ってきたこと。
そして笑っている笑顔。
その彼の「笑顔」が、ここまでやってきた私への答えだったと信じている。
デスクの上に置いた携帯電話。
そこにつけたお守りを握りしめたこともあった。
どんな時でも、時は過ぎる。
春、清々しく芽吹き、
夏、きらきらとまぶしく輝いた木々の葉は、
秋になり、二度花を咲かせたように美しく、
そして散る。
冬になり、土に温かいぬくもりを与え、
浄化されていく。
そんな風景を眺め、感じ、
自分らしく生きていく。
冬が来る。
辛かったこの数ヶ月の、人を憎んだあの時の気持ち、
怒りで体がこわばった気持ち、
全てのマイナスだった自分の思いを、
美しい季節の浄化とともに消してしまおう。
また次の季節が来た時には新しい土からの栄養となるはずだから。
私のデスクのカウンターにおいてあるヤマネ。
そこに木の実や紅い葉っぱを置いてくれた人がいる。
私がいなかった時間で、それは誰なのかわからない。(^-^)
早朝、
雨上がりの冷たい空気の中で、
雨粒がキラキラと光る紅い葉っぱが風に吹かれ散る。
まるで花吹雪のよう・・・
舞い散る葉をカメラにおさめたくて、レンズを覗く。
「ダメだ。」
うまく写せない。
全てはこの「目」で見て、「心」で感じたものほど
美しいものはない。
夏が終わりに近づく頃、職場の敷地内の引越しがあった。
夜中まで続いた梱包作業、イライラして、同僚同士ぶつかったり、
不満をぶつけ合ったりもしたけれど、新しい建物に移り、心機一転。
青い空がまぶしく輝き、ボスの居室の窓から見える一面の芝生の緑が爽やかだった。
そして、
落ち葉が紅色から土の色に変わるまでの間に、
どんな事があっただろう。
人と人との気持ちのずれ、諍う心、
自分のやっていることが仕事なのか、仕事ではないのか。
温かい家庭にまで、私の仕事の苛々は及んだ。
時には、言いたくても言えず、気持ちは治まらず、
唇や、手足がブルブル震えたこともあったっけ。
「会社に”うつ病”になってしまって苦しんでいる人がいました。
あなたは、手を差し伸べますか?それとも放っておきますか?」
結論を言うと、色々あった中で一番大きな出来事はこれだった。
私には、その人を放ってはおけなかった。
精神的な病は、なった人でなければわからない苦しみがある。
あちこちの病院に初診を断られ、食事さえ摂れなくなり、それでも立ち上がろうと、
立ち上がれずにもがいて必死になっているその人を放っておくことができなかった。
「あなたが中途半端に手を差し伸べるから、よけい彼が甘えるんでしょ!」
「もういい年した大人なんだから、辞めるか辞めないか自分で決めればいい。」
「あなた(私)がやっていることは仕事の範囲を超えているわよ!」
「自殺するようなことがあったとしても、それはもう本人の責任だ。」
それはもう辛い毎日だった。
でも、私は彼を放ってはおけなかった。
私が手を差し伸べることで、彼が小さなきっかけを掴めるとしたら、
それは人生を変えるきっかけにもなる、というくらい大きなことだと信じていたからだ。
仕事の範囲を超えていることは百も承知だった。
仕事ではなく、「人」として、彼を救いたかっただけだった。
あれから3ヶ月経ち、彼が研究の場に戻ってきたこと。
そして笑っている笑顔。
その彼の「笑顔」が、ここまでやってきた私への答えだったと信じている。
デスクの上に置いた携帯電話。
そこにつけたお守りを握りしめたこともあった。
どんな時でも、時は過ぎる。
春、清々しく芽吹き、
夏、きらきらとまぶしく輝いた木々の葉は、
秋になり、二度花を咲かせたように美しく、
そして散る。
冬になり、土に温かいぬくもりを与え、
浄化されていく。
そんな風景を眺め、感じ、
自分らしく生きていく。
冬が来る。
辛かったこの数ヶ月の、人を憎んだあの時の気持ち、
怒りで体がこわばった気持ち、
全てのマイナスだった自分の思いを、
美しい季節の浄化とともに消してしまおう。
また次の季節が来た時には新しい土からの栄養となるはずだから。
私のデスクのカウンターにおいてあるヤマネ。
そこに木の実や紅い葉っぱを置いてくれた人がいる。
私がいなかった時間で、それは誰なのかわからない。(^-^)
by junmama96
| 2005-12-05 00:00
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