彼岸花。
2008年 09月 26日
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一般に彼岸花と呼ばれるこの花は、
見れば見るほど不思議な姿をしている。
方言も含め、およそ1000以上の呼び名があることも、つい最近知った。
ハカバナ、ユウレイバナ、オバケバナ、ロウソクバナ、ケサカケなど・・・
忌み嫌われるような名前が多い。
しかし、逆にそれだけ高貴な花とも言えるのかもしれない。
平家物語の冒頭、
「祇園精舎の鐘の声
諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色
盛者必衰の理をあらわす
・・・・」
と記されている沙羅双樹の花の色とは、彼岸花の花の色だ。
「彼岸花の花の色は、
栄えるものは必ず滅びると表している」の通り、
源平合戦で平家が滅んだ時、群生していた白い彼岸花が、
平家の血で赤く染まったという言い伝え(迷信?)まであるという。
この花を見ていると、白い花が平家の印象。
一番赤い時が派手に平家を滅ぼしたと言われる源氏の印象だと感じる。
色が薄く落ちていくような枯れ方も、またその言い伝えを感じさせる。
ここまで意味(忌み?)の深いこの花を眺め、
鮮やかな夏の終わりを感じ、やがてくる秋、そして冬への移ろいを感じながら、
厳粛な気持ちでシャッターを切ってみた。
by junmama96
| 2008-09-26 00:00
| 自然
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